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宮部みゆき「ペテロの葬列」の不思議な感性 [ミステリー]

今多コンツェルングループの杉村三郎シリーズの第3弾。杉村はある日拳銃を持った老人によ るバスジャックに遭遇してしまいました。運転手・乗客ともどもで7名の人々がバスの中にいたのです。



緊迫感が漂う中、老人は警察を呼ぶようにと言い、「あとで賠償金をお支払いします。」とまで言ったのです。なんともまか不思議な提案だったのですが、老人は拳銃の暴発で死んでしまい、3時間かそこらであっというまに事件は終わってしまった・・・かのように思えたのですが。



貧しい老人だったはずの犯人からなんと、乗客のもとに大金が送られてきたのです。老人はすでに死んでいるにもかかわらずです。さて、このお金をどうしたものなのか、それぞれに揺れる心模様は社会派ミステリーお得意の宮部みゆきの緻密な描写でリアル感でわくわく。



巨大な悪の渦にはまってしまったかのような錯覚を覚えるほど自分自身がその渦の中にはまっていってしまうストーリーです。


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http://topicks.jp/30160



その後この作品は杉村三郎シリーズのテレビドラマにもなり、小泉孝太郎、長谷川京子、国仲涼子さんなどが出演し好評を博しています。




タグ:宮部みゆき

宮部みゆき『理由』の持つ魅力とは! [ミステリー]

とても風変わりなミステリーといったらいいのかもしれません。一家四人が殺されるという普通で聞いたらなんというひどい殺人事件だろうということに着目が置かれるのですが、この作品はどちらかというと殺人そのものよりどうして殺人が起こることになってしまったかという雰囲気のストーリーなのです。


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http://laughy.jp/1408331718238176592


実は一家四人が・・と書きましたが、実は彼らは一家ではなかったのです!一家のように住んでいながら家族ではなかった四人。どうして彼らは家族のようにふるまっていたのでしょうか。


殺人事件というテーマというより社会的な問題も含んだ波乱に富んだミステリー。一風変わっていて、どちらかというと様々な人々からの視点を中心に描いた筋書きに飽きさせないストーリーという魅力に富んだ作品になっていますよ。


私が好きだったのは、警察の事情聴取とか関係者にインタビューしてまわっていくような緊迫感リアル感が大好きです。ドキュメンタリータッチかな♪


東野圭吾「虚像の道化師」 短編ながらしてやったり [ミステリー]

さて今日は東野圭吾の代表作、ガリレオシリーズ「虚像の道化師」の話です。東野圭吾はほんとに
書き方がスマートなので、長編でも短編でも、え~どうして!という疑問が的確に解決されるのがと
ても爽やか。

勿論長編はそれなりの醍醐味があって、やはり満足感は圧倒的に違いますが、短編の
よさは、なんで!というミステリーが速やかに解決されるところにありますね。


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http://newsamurai.net/20150311/kyozo-dokeshi/


この「虚像の道化師」のあらすじですが、新興宗教から5階の窓から飛び降りてもちろん死んでしまう
のですが、その謎解きから始まります。教祖が念じると、信者の男が苦しみだしてしまうのです。
やらせかと思っていたら なんと男は誰にも触られたりしていないに自ら窓を飛び降りるのです。



ありえない出来事の解決は・・!


これはやはり作品を読んで自分なりの感性で納得!してほしいですね♪
ちなみに解決まで読むと、そうか~そういうのもありだなと納得してしまいますね。


タグ:東野圭吾

宮部みゆき 「火車」の実際! [ミステリー]

「火車」はひぐるまと読むのではなく「かしゃ」と読みます。私がこのタイトルを見たときになんとなく火車・・ひぐるまと読んでしばらくそのイメージでいて、ちょっとイメージが違うなと違和感を持ったことがありました。

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http://blogs.yahoo.co.jp/dareyanen22/39492103.html

さてこの本は第108回直木三十五賞候補にもなった代表的な作品ですが、当時、不運なことなどが重なって惜しくも賞を逃したものの、その後その面白さはどんどん広がり、第6回山本周五郎賞受賞したり、様々な賞をゲットしています。

それだけ迫力のあるものすごい面白いミステリーなのです。特に終わりごろから一気に目が離せなくなります。この迫力感は、真保裕一の「ホワイトアウト」の導入部分と張り合うくらいすごい緊迫感にあふれていてなんという壮大な書き方をするんだろう・・・いえ、そんなことより、小説の世界が自分の見に起こっているかのように感じさせられてしまうのです。

発行は1992年なので、最近とはいえませんが、ともかくリアル感からいえば、現在や過去を考えられないほどです。宮部みゆきの作品の中でも、これが一番好きという人も多いようですよ。

サラリーマンとして生きる生活の中、金融やカード破産などの問題もとりあげ、多重債務をめぐる諸問題などちょっと身につまされるかもしれませんけどね。


あ、それからこの作品は1994年2月に土曜ワイド劇場で、『火車 カード破産の女!』という題名でドラマで放映され評判を得ています。



タグ:宮部みゆき

島田荘司は 主人公 御手洗潔そのもの! [ミステリー]

格好いい系の推理小説作家といえば、だんとつ島田荘司でしょうね。本格推理をリードしてきた島田氏は賞はあまり取ることができず「無冠の帝王」と称されることもあったほどでした。


2008年に第12回日本ミステリー文学大賞を受賞し、その無冠という名前はなくなったのですが・・・。たぶんに受賞できなかった理由としては彼の才能を評価する時に、あまりにも個性的な面が強くて、全体受けしないという理由があったのではないかと思うほどです。


なにせ、あまりにも切れ味がするどいので、ぞくぞくっと寒気を感じるほどそのストーリーに迫力があるのですよ。実は彼はすでに還暦をすぎて今なお世界に輪を広げて活躍を続けているのですが、その勢力的な動きには、彼の作品、御手洗潔シリーズのイメージを彷彿とさせるところがあるのです。



島田氏は本格ミステリー界を代表する人物であり、大物中の大物といえます。また彼の風貌もまた彼の性格を物語るようです。まさに人が作品のイメージを決めることができるのではないかと思えるほど御手洗潔のイメージそのままですね。



作品のおススメは、あまりにも多すぎて書けないのですが、なんといってもデビュー作である「占星術殺人事件」や大人気となった「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」「斜め屋敷の犯罪」などは定番中の定番ですね?もう島田荘司という名前が忘れられなくなりますよ♪
タグ:島田荘司

「模倣犯」宮部みゆきのダイナミック展開 [ミステリー]

模倣犯は1995年~1999年に週刊ポストに連載されていたものです。加筆を加え、2001年に単行本、2002年に映画化されたという有名なミステリー。私は中居正広主演の映画「模倣犯」の方を先に見たのですが、詳細部が気になりあとでミステリー小説を読んだといういつもと違うパターンで読んだものです。



小説と映画とでは少しあらすじが少し違っているので、ここではやはり宮部みゆきその人の書き上げた小説の作品を追ってみましょう。三部構成になっており、まず一部の内容は最初に殺人事件が起こり、その後犯人とされる二人の男性が自動車事故で死んでいたということで一件落着かと思われるのですが。



事件としては、犯人もわかり事件もめでたく解決して終わりとなるはずだったのだけれど、これが実はまだ事件のほんのはしりの部分であったという、というか、一つのの局面からみた事件の流れであったわけです、。


これが二転三転してゆくどうにもとまらないストーリーの流れであります。少し二部のさわりをいうと、犯人とされた二人のうちの一人の過去の出来事から、ストーリーが始まり直すというとっても面白い展開。まさにこれは一つの切り口からではおさまらない角度を変えたものの見方で事件を見つめなおすというとっても興味あふれる手法です。


宮部みゆき氏のダイナミック展開が遺憾なく発揮された代表的な作品といえるでしょうね。是非一部、二部、そして三部を通して、そうかこんな形で捉えられていたのだというものの面白さまで分かってきますよ。




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宮部みゆき氏の愛すべき作品の特徴 [ミステリー]

宮部みゆきは女性作家です・・って誰でも知ってますが、まだ宮部氏が活躍しだす初期の頃はそんなに作家を調べてどうのこうのという時代でもなかったので、あまり深く考えてみることはしなかったように思います。



もともと作家という仕事は明治時代あたりから考えてもほとんど男性によるものであって明治時代の中ごろや終わりごろからやっと女性作家が活躍できるようになってくるのですよね。ましてこれはミステリーの分野というのは、イメージ的には多少男性っぽいですよね。


かって夏樹静子氏がミステリーの分野で素晴らしい開花をされたとき、夏樹氏の文章は非常に頭脳明晰で博識なインパクトを感じながらもその流れは非常にきれいで繊細で、さすが女性作家というものは、また男性とは違った部分を活かし、ミステリーを仕上げるものなのだという感覚を味わったことがありました。



さて宮部みゆき氏ですが、筆致や運びががすごい合理的で、かつあまり女性とか男性とかを感じさせない気がします。私の大好きな女性作家の一人ですが、その合理性がとてもストーリーを追うのに向いている気がします。



男性の感覚で男性のテクニックを使って女性が書いているという感じなのです。ですので、読者がこの作家は男性なのか女性なのかを意識させない。なので、いつもは意識する男性か女性かってことが全く気にならなかったのかもしれません。



もともと「みゆき」の名前じたいがどちらともにこだわらない感じもします。苗字は違うけれど、みゆきは本名なので、きっと本人も自分の名前が作家の名前に相応しいと考えたのかもしれませんね。ちなみに「みゆき」は男性の名前にも結構あります。ひらがなで「みゆき」の他、実之、実幸、実之、三之、幸などなど。



作家の名前を見ると大概男性か女性か分かりますし、読んでいるうちに大体感性が女性らしいかな、とか、やっぱり男性かなと分かってくるのだけど、宮部氏は本当に見当がつかない作家だったのです。



さて何故こんな話をするかとというと、そのある意味中性的な文章で書いてあるミステリーが、更に謎めいていて面白かったという理由です。女性を意識させない女性ミステリー作家宮部みゆき氏はとっても魅力的な作家なのです♪


さて次回は宮部氏の作品に触れたいと思います

「ホワイトアウト」真保裕一の原作のすごさ [ミステリー]

ホワイトアウトの原作を読んだ時期、私は朝から遅くまで仕事が続き、毎日寝る前に軽く読んでから寝るという習慣すらもほんとにわずかな枚数しか読めずに即効眠りの世界に入っていっておりました。


ところがです。ある日、何気なく手にした「ホワイトアウト」の小説をちょっとちら身しただけだったのに、1ページ目からそのままあまりの面白さにのめりこんでしまったのです。


私にとっては初めての経験。もう他に目を移すことができずにそのまま没頭。もう他のことは何も考えられないほど。ついにしなくてはいけない仕事を脇におき、いいやとばかりに読み進んでしまいました。


しかしどうしても読むのを止めざるを得ない状況もあり・・・。大急ぎで仕事を片付けて再読、とうとうそのままほぼ朝まで一気に読書を完了させてしまいました。かなりの長編なので、もう終わった時にはふらふらだったのを覚えています。


そんなホワイトアウト。前置きが長くなりすぎましたが、多少のご説明を。ホワイトアウトとは、吹雪によりまわりが見えなくなり、まさにホワイトになってしまってどうにも動けない状態になることです。


そしてこの筋書きはというと、日本最大といわれるダムをテロリストが占領。人質を救うため主人公は立ち上がり一生懸命ダムをそして人を守ります。映画では織田裕二が好演!まさに原作でも大当たり、映画でも大当たりの素晴らしいダブルヒットです!


あまりにも面白かったので、ミステリー(謎を必要とする・・)というジャンルとは少し違うかもしれませんが、ともかく一読の価値ありです!是非、お時間の許す方も許されない方もどうぞ♪




タグ:真保裕一
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「夜明けの街で」東野圭吾のヒット映画! [ミステリー]

映画「夜明けの街で」をご紹介しましょう。東野圭吾(「野性時代」で連載された)の小説がもとになっています。横浜が舞台になっており、シチュエーションも雰囲気もばっちり。不倫の題材がもとになっていますが、岸谷五朗・深田恭子主演というとっても素晴らしいコンビの映画で話題になりました。



主人公は、不倫を否定、というか軽蔑さえしていたのですが、ひょんなことからどんどん不倫という深みにはまっていくことになります。役職は主任という役職なので、それなりの立場の演出なども心憎い配慮がふんだんになされていました。



そして新たな展開。不倫相手にはなんと、15年前の未解決事件が深くかかわっていたのかもしれないという事実が表れてきます。そしてその謎解きもかなりシリアスに進められていくのです。現代における不倫という社会学的な現象ならびに仕事上における微妙な人間関係にまで触れてきます。



時効を迎える時期が迫ってくるなか、主人公は大きな決断に迫られてくるのです。自分が大事に築き上げてきた家庭を壊したくない、しかし、不倫相手の心中を察する思い。ついに主人公はその事件に巻き込まれてしまうのです。原作と同時に監督の熱い想いがミックスされた映画です。








タグ:東野圭吾
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東野圭吾作品「変身」の明快さと魅力 [ミステリー]

さてミステリー作家東野圭吾の作品はたくさん映画化、そしてテレビドラマ化しています。理由はもちろん「面白い!」からです。原作 西村京太郎や山村美紗・和久峻三・夏樹静子などなどといったミステリードラマもたくさんありますが年代的には、若い人には少し合わない部分もあるかもしれません。

(あ、ちなみに西村京太郎氏は東京都立電機工業学校(現東京都立産業技術高等専門学校)卒業なんですよ、経歴似てますね)


東野圭吾もそこそこの年齢ではありますが、ストーリーは今なお現代の一線をいっておりむしろ君達も来いよ!となかば強引に読んでいる人達を連れていってくれる感があります。それが若い人達にも人気を集める理由にもなっているのかもしれません。


映画化された「変身」を見てみましょう。病院の話ですね。主人公 成瀬純一は大学病院の研究室の中で眼を醒ますのです。医師の堂元博士から、世界初の脳移植手術に成功したと聞かされるわけです。世界初ですよ、まあ初といわれれば、そういう設定もありかなと、最初からあまり違和感なくストーリーに入っていくわけですね。


そして技術的な手術は成功したかのように思えるのだけれど、だんだん心の問題が大きくクローズアップされてくるわけです。食べ物の好き嫌いなど小さなことから、性格までもが変化していってしまうのです。


心と身体に違和感を覚えた主人公純一は、病室を抜け出して真実を知ろうとしていくわけです。
なんだか、もうここまででも面白そうですよね。そのあとどうなるの??っていう思いにさせるところが圭吾のテクニックですよね♪

タグ:東野圭吾
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